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振り向けば、そこには...:『赤頭巾ちゃん気をつけて』

京葉線の通勤電車のドアの上に動画が映るようになっており、帰りの電車では、それを見ることが多くあります。最近は「名言集」のシリーズものをやっていて、少し前に、寺山修司の「振り向くな、振り向くな、後ろには夢がない」を紹介していました。『さらば ハイセイコー』という詩の中の一節だそうです。しかし、確かに“今”を生きている者は、イヤでも先を見ているわけですが、過去を振り返って、その時自分が先のこととして何を見ていたのか、思い出すのも悪くないと思います。

1 昨日、思い立って随分前に録画したビデオを引っ張り出して見ました。『赤頭巾ちゃん気をつけて』、庄司薫の芥川賞受賞小説に基づいた映画で、1970年に映画館で観たものです。かなり前のことですが、偶然、テレビで放映されることを知り、S-VHSの3倍速で録りました。以前見た時には、画像の下の方が乱れ気味だったのですが、最近入手した中古デッキを使ったところ、意外なほど綺麗に映りました。見ていて、いろいろなことを、その時の気分とともに思い出しました。

2 東大紛争、日比谷高校、等々、当時受験生だった人達には、大変思い出深いキーワードが出て来ます。あの頃、日比谷高校は、東大入試で多くの合格者を出すことで有名な進学校でした。以前の職場は、この高校に近いところにあり、高校のクラウンドの見える会場を借りて、大きな会合を開いたこともありました。さらにその前にいた職場の関係では、何と、その映画に出ていた人に会いました。度の強い眼鏡を掛けた日比谷高校生の役で、一瞬、顔がクローズアップになって出ていました。その人は、実際に日比谷高校出身者でした。

3 庄司薫は、この作品を出した後、『さよなら快傑黒頭巾』、『白鳥の歌なんか聞えない』、『ぼくの大好きな青髭』と、それぞれ「赤」、「黒」、「白」、「青」の色を表す言葉がタイトルに入った作品を残した後、小説は書かないで来たようで、今も、某ピアニストのご亭主だろうと思います。ネットで調べてみると、資産運用にも長けておられたようです。元々、生まれ育ちの良い人のようですが、若い時に、ただ勉強していただけではない、既に強かさも兼ね備えておられた方だったようです。

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